オルソケラトロジーのしくみ
オルソケラトロジーはコンタクトレンスで角膜を矯正して視力を回復させるので「角膜矯正療法」や「角膜コルセット療法」とも呼ばれています。
この治療では、レンズ内面に複数のカーブを施した高酸素透過性ハードコンタクトレンズを使用します。睡眠前に装用し、寝ている間に角膜自体の形状を変化させるのです。くり返し装用することで、外した後も矯正された状態を維持できる時間も増え、日中は裸眼ですごすことができます。
ただし、レンズの装用を中止すると、角膜が元の状態にもどり始めるので、視力は低下してきます。
角膜の厚さは約0.5mm.中程度の近視の方なら角膜の形を１０％変化させるだけで矯正できます。
ちなみに、日本人女性の毛髪の太さは平均で約0.08mm.髪の毛1本分の変化は視力矯正に効果をもたらします。
近視度数が弱いほど、角膜の変化は少なくてすむので治療の効果があらわれやすく、また、大人に比べて角膜がやわらかいとされる学童期のお子様にも効果的な治療です。
レンズはいつもジャストフィット
オルソケラトロジーで使うコンタクトレンズの内側は、複数のカーブから成り立っています。夜眠っている間に装用することで、角膜自体を矯正します。そして朝起きてコンタクトをはずしてみるとしりょくが回復していると言うわけです。
オルソケラトロジーでは、２００種類以上のトライアルレンズの中から、患者さんそれぞれの眼に合うように医師が選んだ最適なレンズを装着していただきます。
通常のハードコンタクトレンズは角膜の中央部分の1箇所であわせているだけですが、オルソケラトロジー用のレンズでは角膜の中央と周辺部分、その中間部分の3箇所で合わせますので、眠っているときにズレたり外れたりする心配はほとんどありません。
寝ている時に着けて大丈夫？
角膜にとって酸素は必要不可欠で。角膜に十分な酸素が供給されなくなると、角膜を透明に保つ働きを持つ角膜内皮細胞が傷つき死んでしまいます。この細胞が減ってしまうと、角膜は透明性を維持できず、次第に白く濁り、視力障害を起こしてしまいます。
オルソケラトロジーで使用するレンズは、アメリカ連邦食品医薬品局（ＦＤＡ）の認可を受けた、安全性の高い高酸素透過性のレンズ素材で作られており、夜間装用したまま眠ることが認められています。
また、角膜内皮細胞の状態を確認する為にも、定期的検診を心がけましょう。